「東のエデン」是非とも見るべきです。
賞味期限が短いアニメです。
見るなら今!
「ミサイルに向かって人差し指を向ける」って画がやりたかっただけだろ!!
でもそれがいい。
ヒロインの名前が森見登美彦と伊東美咲から取られているという話を雑誌で見て、見ようと思いました。
他にも「ジョニー」とか「もんどりうって」とか「ズボンが風に流されたから引き篭っている」とか連想させる単語がちらほら。
というかパンツこと板津は完全に森見登美彦世界の住人ですね。
「金の払い方は5歳のガキでも知ってんのに、もらい方は大人でも知らなかったりする」
この台詞がすべて。
この台詞のためにアニメ11話と映画2本があるんだと思う。
お客様感覚の国民への批判であり、主人公の過去でもあり、ニートの問題提起でもあり、セレソンゲームそのものでもある。
たった一言でテーマを表す凄い台詞。
Mr.OUTSIDEの正体が意外だった。
ちゃんと推理してた人にはバレバレだったみたいだけど。
登場シーンにドキドキした。
JUIZがかわいい。
大杉が最後まで報われない。あまりに報われなさすぎて、あのままでいい気がしてきた。
平澤かっけぇ。
この作品におけるニートとは元々の意味である「仕事も勉強もしてない人」ではなくて、社会に出たくない若者って感じ。
滝沢も「ニートってのは、人生にあがりを決め込んだ大人に対抗するために、一人ひとりが始めたテロ行為」だと言う。
まー、人生をあがれるだけのものを親が持っているからこそ、ニートが成立すると思うんだけど。
いや、だからこそ、ニートの地盤を崩さないといけないのか。
相続税100%みたいなトンデモな方法で日本を変えるのをもっと見たかったな。
「全員を勝者とする」と言ったのに、全員(の記憶)を消すってのはルール違反だよなぁ。
滝沢を勝者にして、滝沢以外(の記憶)を消すっていう終わり方のほうがスマートだったと思う。
Mr.OUTSIDEの思惑から外れるっていうのが必要だったんだろうなーってのはわかるけど。
映画版の終わりが、投げっぱなしだとか今までのこと全否定だの言われていたので、アクション的な盛り上がりを求めないで作者の言いたかったことだけに注目する見方をしたら結構楽しめた。
エヴァの最終回も、前評判を聞いていたから楽しめたし、どこに注目するかっていうのは大事だ。
特にアニメの最終回なんか、ドラマ性より作者が言いたいことを詰め込むんだから、あんまりエンターテイメント的なカタルシスを求めちゃダメだね。
主人子があれだけやったのに、世界は変わらなかった。
世界を変えられないと思ってしまうことがこの国を覆っている閉塞感なのに、最後に世界を一気に変える方法を見つけることができないで一人ひとりに任せざるを得なかったのが残念だ。
この国の王様になると言ったからには、独善的に突き進んで欲しかった。
でもこの作品を観終わったあとに残るもやもやは、悪いもやもやじゃない。
滝沢の演説を聞いたあとの国民のように、どうすればこの国はよくなるのかを一人ひとりに考えさせるためのもやもやだ。
ぼくのは政治の話に興味全然ないけど(ネットの知識で知ったかぶるのが気持ち悪い)、この国をよくするためには、そうだなー。
「人生にあがりを決め込んだ大人」に文句を言いながらも従ってるところを直せばいいと思うよ。
金は我慢して稼がなきゃダメなんだ!これだからゆとりは。
って言われてしまうけど、でも「金のもらい方」を学ぶのは難しいんだよ。言葉を言われたぐらいじゃわからないんだよ。
全員が裕福すぎるんだ。
もっと余裕なければ、グチグチ文句を言わないでぼくらは働けるはずなんだ。
グチグチ文句を言う余裕があるのなら、世界を変えられるはずなんだ。
どっちかにしろよ!って思います。
ぼくらは「持たざるもの」だけど、何も持っていないからこそ、できる事ややらなきゃいけない事があるんじゃないでしょうか。