山奥ニートの日記

ニートを集めて山奥に住んでます。

喪中

人には言わなかったけど、今年の6月にハムスターをもらった。

ぼくはペットを飼うということ自体否定的だ。

餌をあげて言うことを聞かせるのが嫌いだし、どんなにペットに愛情を注いでいても檻に閉じ込めなければいけない。

そんな風に命を使うのはなんとなく嫌だ。

でもぼくはハムスターを受け取ることにした。

実は小学生のときにゴールデンハムスターを飼っていた。

もらったのはジャンガリアンハムスターだったが、懐かしかったのと、十年前と同じことをして今どう思うのか、やってみたかったからだ。

元々動物好きでもないので、餌を与えたり、籠の掃除をする以外ほとんど構わなかった。

名前すら付けたのか怪しいところだ。

なんせ自分以外このハムスターの存在を知っているのは実家の家族ぐらいだったし、ぼくはハムスターに話しかけたりしないからだ。

でも少しずつ慣れてきて、餌の袋を触るだけでもらえるとわかって近づいてきたり、小屋の外でも寝るようになってきていた。

だけどここ数日、餌の減り方が少なかった。

それを気にも止めないで、まぁそんなこともあるだろうと思っていた。

昨日の夜、いつもなら回し車の音でうるさいのに全く静かだったので、小屋を揺らしてみた。

でも何の反応もなかった。悪い予感がしながらも、TRPGが始まったので後回しにした。

今朝、夢を見た。

昨日のことが勘違いで、ハムスターが元気になって檻をかじっている夢。

ぼくは、ペットに全然興味がないと思っていたけど、実はとても感情移入していたのだ。

働かないで、与えられる餌だけ食べて暮らしてるハムスターは、ぼくの目指すべき理想だったからだ!

だけど今日、やっぱり死んでいた。

亡骸はやわらかい紙に包んで、今小屋の中に入れてある。

明日の朝どこかに埋めてこよう。

ほとんどのことはなんとかなると思っていた。

だけど、取り返しの付かないこともあるんだと思った。

ぼくはもう二度とペットを飼ったりしないし、どうやら今のままいけば誰かを養っていくこともなさそうだ。

そうやって、何も持たないで生きていきたい。