山奥ニートの日記

ニートを集めて山奥に住んでます。

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』観ました。

事前知識何もいれないで観たけど、これから観るのならアニメ版のDVD1巻と前作の『うる星やつら オンリー・ユー』を観てからのほうが良かったかも。

うる星やつらのキャラクターを大体わかっているなら別にいいと思いますけど。

ぼくは小学生の時に再放送でアニメを少し観たくらいなので、ほとんど覚えてなかった。

でも十分楽しめましたけどね。

■友引高校の狂乱

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80年代のオタク文化って憧れますね。

ある種60年代の学生闘争の延長というか、なんだか熱があって楽しそうです。

アオイホノオ』の時代というか。

学園祭前夜というのも素敵ですね。

惜しむらくは、オタク文化といえど、この時代の残り香がネット上にほとんど残っていないというところです。

ネット上には一番古くて90年代後半の時代しかない。

地球が1秒前に出来上がったものだ、なんて話がありますが、それと似たものを感じます。

現実と夢の境、それは案外ネットなのかもしれません。

ラムちゃん登場

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この直前に主人公諸星あたるが登場します。

戦車の中で女の夢を見ているという、男性性の塊です。

元々うる星やつらに出てくる男は単純で欲望そのままって感じですが、この映画にもそれは言えるでしょう。

ビューティフル・ドリーマー高橋留美子ではなく、押井守の映画」なんてよく言われていますが、ぼくはそうは思いません。

押井守の男性性と、高橋留美子の女性性のせめぎあいが奇跡的なバランスで融合したからこそ生まれた名作だと思います。

このラムちゃんの登場シーンは実に神秘的で、欲望まみれの男・あたるとは正反対に描かれています。

■給湯室での女子会

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ラムちゃん、しのぶ、サクラが給湯室で会話するシーンです。

このあたりとても女性っぽくて驚きます。

髪をかきあげる所なんて本当に細かい。

思わせぶりなしのぶと、わかってもそれをあえて指摘しないサクラ。

うる星やつらを観て、ラムちゃんを好きになる男はモテる」なんて友達が言っていました。

でも8割の男性はラムちゃん以外を好きになる気がする。

■24時間営業のちんどん屋

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一方、こちらは男だけのシーン。

上の女性だけの会話と対になっています。

会話はほとんど喧嘩のようですが、まあ男同士の会話なんてこんなもんです。

この深夜の雰囲気、古今東西あらゆる映画の中でも1、2を争う良さだと思います。

誰もいない夜の街、耳が痛くなるような静けさの中で遠くからかすかにちんどん屋の音が聞こえてくる。

この映画の深夜のシーンはとても多く、そのどれもが印象的です。

■友引前史第1巻 終末を越えて 序説第3章より抜粋

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この映画で圧倒的存在感を放つ男、メガネ。

おまえモブキャラだろーが!

龍之介やテンちゃんより確実に目立ってます。

というのはやっぱり、この映画が男vs女の構図だからだと思うんです。

男だか女だかわからん微妙な龍之介とテンちゃんが出てきてはダメなのです。

その点、このメガネは男のオタク的な一面をすべて引き受けています。

面堂は論理的な部分を受け持っていますね。

あたるは言うに及ばず。

それにしても、誰もいないコンビニで好き放題するのはワクワクしますね。こういうシーン大好きです。

押井守の芸術性

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コンビニのシーンも別にストーリー的には省いても問題ないんですが、たぶん描きたかったから描いたのでしょう!

そんな、趣味だけで描かれたようなシーンがたくさんあります。

これは面堂が、この世界がラムの見ている夢だと気付くシーン。

水がじわじわと足元から広がっていきます。

また、水=鏡という象徴でもありますね。こっちの側面で注目すると、あたるが水たまりに吸い込まれるシーンもあります。

■男vs女としてのビューティフル・ドリーマー

上にも書きましたが、男ってラムちゃんあんまり好きじゃないと思うんですよ。

男って結構ナイーブなもんで、グイグイ来られると逆に引いてしまうってのもあります。

浮気を絶対許さないし、学生なのに結婚なんて単語をちらつかせる重さもあります。

いい子であることは間違いないんですけどね。

なんというか、そのへんはやっぱり高橋留美子が女だってことが原因なんだと思います。

しかし、この映画の監督は押井守

この映画も高橋留美子は気に入らなかったというようなエピソードが調べたらすぐ出てきました。

ああ! 男と女は所詮は別の生き物。

この争いは終わることはないのでしょうか。

いいえ。夢を見る女と、それに翻弄される男。

この2つが上手く行く方法がひとつだけあります。

つまりは、このラストしかないのでしょう。

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必ずしもそれが「結婚」という形ではないと思います。映画の中で、あたるはラムを好きでいるために自由じゃなきゃいけないなんて言ってますし。

しかし『まどかマギカ』や『ひぐらしのなく頃に』みたいに悪夢ならともかく、楽しい夢から覚めようと思うには並大抵の覚悟ではいけません。

楽しい夢の中よりももっと楽しい思いさせなければいけません。

なんだか、「ナンパ方法教えますみ」たいなアヤシげなサイトみたいな結論になってしまいますがw

そりゃ夢邪鬼も呆れるってもんです。

でも、楽しい夢を観るよりも、夢邪鬼(=押井守)みたいに楽しい夢を創るほうが面白いよきっと。

それはまるで、学園祭当日より学園祭前日のほうが楽しいように。

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