山奥ニートの日記

ニートを集めて山奥に住んでます。

褒める

ふと、『探偵ナイトスクープ』のある回のことを思い出した。

その日の依頼は「私は塾講師だが、早口言葉が苦手だから言えるようになりたい」というもの。内容としてはそんなに笑いどころはなくて、その回ではその後の『少年とオッサンの友情』という旅先で出会った少年とオッサンが再会するという依頼のほうが面白かったんだけど、早口言葉の依頼は個人的に面白いことがあった。

依頼人は50歳くらいで、個人塾を営んでいる。もしかしたら昔は学校の先生とかやってたのかもしれない。生徒たちからも人気があるようだ。

依頼人と松村探偵はまず自分たちだけで色々工夫してやってみるが、「生麦生米生卵」の最初の一回ですら噛んでしまう。松村探偵は「落ち着いて」とか声をかけるのだけど、全然ダメ。結局アナウンサースクールの先生を呼ぶ。

ここからが凄いのだけど、このアナウンサースクールの先生があることをやった瞬間、依頼人は早口言葉が言えるようになるのだ。たった1回目で。

その方法とは、依頼人が「生麦」と言った瞬間、「イケるね!」

「生米」と言った瞬間、「ウマいね!」

「生卵」と言った瞬間、「デキるね!」

依頼人が一言言うたびに褒めた。

そうしたら不思議なことに、一回目で「生麦生米生卵」言えるようになったのだ。

中年の大の大人が、褒められるというだけで今まで出来なかったことがあっさり出来るようになった。それも、普段生徒を叱ったり褒めたりしている先生が。

その後何度か繰り返した後、生徒の前で早口言葉を披露して、依頼達成となったのだけど、この話はすごく示唆にとんでいて面白いと思う。新書なんかで褒めて伸ばすみたいなことはよく書かれてるけど、実際に映像として見るとその効果は想像以上で驚いた。自信を持つってだけであんなに人って変わるものなんだなぁ。

(調べたら、2012年9月21日の回でした)