山奥ニートの日記

ニートを集めて山奥に住んでます。

原始的ロールプレイと近代的ロールプレイ

暇なんで気まぐれにオンラインのTRPGサークルを作ってみた。

ニコ生でメンバーを募集したので、お互いにまったく知らない同士が集まってキャンペーンを始めるというレアな光景が見れた。

そのサークルはチャットなのでとにかく尺がなくってほとんど戦闘しかないようなシナリオなんだけど、でも2回3回とセッションを重ねるうちに自然とキャラ付けがされていく。ロールプレイをする機会なんてないのに。

最近のTRPG…たとえばサイコロ・フィクションなんかは、シーンを決めて「はいそれじゃあロールして」と言われるけど、それをしなくてもロールプレイって実は自然に行われている。

ここで発生するロールプレイっていうのは、たとえば「あのキャラは頼りになる」とか「あのキャラはいつも大事なところで失敗するから頼りにならない」とか「あのキャラは本人より馬のほうが優秀だ」とかそうものだ。

これらのキャラ付けは本人が望む望まないに関わらずキャラ付けされる。

TRPGが一番最初に出来たころはこんな感じだったんだろう。また、このキャラ付けはTRPG以外でも頻繁に発生する。だけどこれは紛れも無くロールプレイだと思う。プレイヤーが役を演じているから。

このロールプレイのことを、「原始的ロールプレイ」と呼びたい。

どんなものが原始的ロールプレイに当たるのか、例を出そう。

  • 大事なところで出目が足りない → ダメ人間なキャラ付け
  • 味方を高い防御力でかばうキャラクター → 周りから頼りにされるキャラ付け
  • HPが極端に低いキャラクター → 攻撃されたくないPLはいろいろな作戦を考えるだろう。そのPLのPCは策士というキャラ付け
  • 消費が高いが大きな効果のあるバフを持つキャラクター → 前衛からその魔法を使ってくれと頼まれるだろう。しょうがないなとそのわがままをきくなら、やさしい保護者的キャラ付け、突っぱねるなら厳格な保護者のキャラ付け
  • SW2.0のライダー → 騎獣が死ぬと莫大な借金を負うので、騎獣を溺愛する。場合によっては自分よりも優先する馬フェチなキャラ付け
  • グラスランナー → 回避と抵抗が高いため、自分だけ生き延びられる → 無責任キャラ
  • 範囲攻撃に味方を巻き込む → ドSキャラ
  • 攻撃を受けると得する効果 → ドMキャラ
  • HP1の敵にトドメをさせない → 甘いキャラ
  • 女エネミーの攻撃に回避失敗ばかりする → 女に弱いキャラ
  • PLがデータを覚えている → 博識キャラ

細かいものならいくらでも出てくる。

対義語は「近代的ロールプレイ」だ。こっちはプレイヤーが意識的に望むことによるロールプレイと定義する。

で、なんでこんな定義を作ったのかというと、ロールプレイが苦手だと言っている人でも、実は気づかないうちに原始的ロールプレイをしているからだ。

原始的ロールプレイが起こりやすいようにすれば、ロールプレイが苦手なプレイヤーでもロールプレイができる。

原始的ロールプレイはPLの意図しないものだけど、逆に言えばそれはキャラクター周りの環境によってコントロールできるってことだ。

原始的ロールプレイの多くはダイスによるものなんだけど、僕が見ている範囲では「大事なところで頼りにならないキャラ」は、単純に修正値が低いことが多い。出目6で他のキャラなら成功するところを、出目7じゃないといけなかったりする。「1しか変わらないのに!」みたいに言って笑いを取ったりするけど、2d6なら出目6成功と出目7成功は15%も違う。もちろんPLはそれを知っていて盛り上げてるためのわざとなんだけど。

つまり「大事なところで頼りにならないキャラ」がやりたければ、修正値をほかより低くすればいいってことだ。

もちろんそれだけで頼りにならないキャラになるわけじゃなく、失敗したときにどう演出するのかによるし、自分よりも失敗が多いキャラがいたらなれないとか色々条件はある。でもある程度の方向性を持たせることはできるんじゃないだろうか。

逆に「大事なところで頼りになるキャラ」がやりたいなら、出目を見たあとでブーストするようなスキルを取ればいいし、みんなから補助して欲しいなら補助と相性のいいスキルを取ればいい。

それで、僕が思ったのは、原始的ロールプレイが起こりやすいスキルやイベントだけを集めたTRPGシステムが作れないだろうか、ということだ。

原始的ロールプレイがたくさん起きたセッションは万人に楽しい。

近代的ロールプレイに拒否反応を起こす人は多いが、TRPGをやってるのに原始的ロールプレイが嫌いって人は結構な変わり者だ(いきすぎると鬱陶しく感じることはあるけどね)。

原始的ロールプレイが起こりやすいシステムなら、戦闘をするだけで十分満足できるロールプレイができるわけで、時間短縮にもなる。

そんな電波を受信してしまったので、これからしばらくセッションメンバーの原始的ロールプレイを観察してみようかと思う。