山奥ニートの日記

ニートを集めて山奥で住んでます。

山奥のミーム

熊野とは「死者の霊の籠る所」という意味だと言う。

「隠野(こもりの)」が転じて「熊野(くまの)」。

「熊野って言うくらいだからクマがよく出るんでしょ?」なんてよく聞かれるけど、クマが多いから熊野というわけじゃない。実際クマが出たという話はほとんど聞いたことがない。

熊野が聖なる場所として崇められているのは、熊野が紀伊半島の真ん中にあり、海路からも陸路からも行くのが難しい事が大きな理由だ。

簡単には行けない場所は逆に言えば、外の世界から守られている場所だ。

まぁ実は熊野大社は僕の住んでいる所からそんなに近くないんだけど、この行きづらさによって守られているという点では同じだ。もっと便利な町で今と同じノリで人を集めたらあっという間にトラブルが起こるだろう。この場所ほど遠くて面倒な所に来る人は、みんなそれなりの覚悟をしてきている。だから上手くいっているんだと思う。

また、この辺りには平家の落人伝説も伝えられている。逃げ込むにはそりゃ、格好の場所だろう。お隣さんの分析によると、この地域の人の先祖は結構高貴な身分だったのではないかという。この辺りの方言では「あなた」の事を「おんし」と呼ぶ。「おぬし」が訛ったものだろう。なんか武士の言葉っぽい。平家の落人の血を引いているんだったら面白い。

ここは、まさに引きこもるにはうってつけの場所だ。

熊野信仰は修験道神道仏教が混ざりあった独自の文化だ。法螺貝を吹く山伏がゆく山に、龍神を祀る神社もあるし、一遍上人の伝説も残っている。それは世界遺産になるほど珍しいものらしい。下界から隔離されていて外から新しい物が入って来ないから、住んでいる人が好きなものがミックスされ煮詰まっていくんだろう。

同じように、ここに集まった引きこもりから何か新しい文化が生まれたらいいなぁ。

その萌芽として、誰かひとりの住人の口癖が他の住人にも伝わっていくという現象がある。こうやってミームが産まれていくのかー。興味深く僕は見ています。