日記2019/04/17
スマートフォンが届いた。
妻が僕に送ったものだ。
最近僕がTwitterもblogも書かないもんだから、何をやっているかわからないと業を煮やして買ってくれた。
一年ほど前に5000円のFireタブレットを買ってしばらく使っていたんだけど、どうにも鈍い。カメラも少し暗いと見れたものじゃなく、次第に使わなくなっていた。安物買いの銭失いだ。
スマホを手に入れたと言っても、とりあえずはwifiだけで使うつもりだ。どうせ山奥を降りることなんてあまりない。最近じゃゼロシムなんて言って基本料がタダのものもあるみたいだけど、必要に迫られてから考えよう。
そんなわけで、午前十時ごろ布団の中から妻に「おはよう」と送る。
しばらくノートパソコンを開いて何かやってるうちに腹が減ったのでリビングへ。
イタドリか何かの山菜のアク抜きをしててコンロが全てふさがっていたから、アルミホイルにマヨネーズで土手を作って卵を落とす。ウィンナーと一緒にオーブントースターに入れて10分。昨日の残りのご飯の上に乗せて食べる。
僕の知らない洋画を2~3人が見ていた。
部屋に戻って、さて何しようと思っているうちに鼻血。
この時期は鼻血が出るものなのだ。子供のころからずっとそう。
花粉なのか季節の変わり目なのかわからない。
他の人は滅多に鼻血を出さないと知って驚いたのは二十歳を越えてからだ。
鼻をかんだ時に出る鼻血はすぐ止まるが、今日みたいに自然と出たときはなかなか止まらない。
鼻に詰めたティッシュがみるみる真っ赤に染まる。
何年か前に一回医者に診てもらうべきだと友達に言われて、耳鼻科へ行った。
女医に「いつからですか?」と聞かれ、「産まれてからずっとです」と答えたら笑われて、それきりだ。
結局原因はよくわからない。
同じ鼻血よく出る仲間と出会ったときに、鼻の内側をコテで焼かれたという話を聞いた。
そんなの恐ろしくってたまらない。
山に住む爺さん婆さんは医者嫌いが多い気がするけど、僕もその一人に連なるようだ。
ようやく血が垂れてこなくなったので、外にある手洗い場で顔についた血を落とす。
出血したのは300mlもないだろうけど、鼻血が出た後は貧血なのか頭がぼーっとしてふらふらする。喉が乾くし、塩辛いものものが欲しくなる。
「血が足りねえ、何でもいい、食いもんじゃんじゃん持ってこい」
カリオストロの城のルパンの気分だ。
ルパンと言えば、原作者のモンキー・パンチさんが亡くなったらしい。
彼の人の漫画は一度も読んだことがない。
Twitterで流れてきた「これで銭形警部が一人飯する漫画が書けるな」というのには笑ってしまった。
不謹慎な笑いだ。
自分が死んだことをネタにされる気分がどういうものなのか、想像がつかない。
結局、午後はだるくなってしまって、文庫本を3分の1ほど読んだだけで終わってしまった。
日暮れ前に、せっかくスマホがあるのだから、何か面白いものを撮ってフォロワーに見せてやろうと家の周りをうろついたが、枯れかかったスズランが弱々しく咲いているだけだった。
グループチャットの通知が来る。
買い物に行った人が、刺身を買ってくるらしい。
今晩は宴会になりそうだ。
だるさは抜けないけど、一人で何かする気力もないので、重い頭でリビングに行ってみようか。
山奥ニートは"超"山奥ニートになりました
我らが五味集落までの道が、工事により全面通行止めになりました。
2018年夏の台風のせいで、一部の道に穴が開いて鉄板の上を車が通っている状態でした。
これからは町に行くのに、大きく遠回りする林道を通らなければいけません。
今まで駅まで1時間半だったけど、プラス30分以上は余計にかかります。
僕は通行止めになって以来まだ町に降りてないけど、話によると今まで以上に細い道で、待避所もなく対向車とのすれ違いは大変らしい。10分で標高650mを駆け上る道で、険しいけど景色はいいみたい。
この工事、あと2年続くそうだ。(冬期は工事中断)
こんな山道を直してくれる日本はすごいけどね。
そういうわけで、送迎のお願いはなるべく控えてくれると嬉しいです。幸い、行政がやっている住民バスは今まで通り運行してくれるみたいです。
今までは配送業者がほとんど毎日来てくれてたけど、これからは週に一度程度にするって。
今までここは山奥だったけど、これからは超山奥です。
でもとりあえずは、変わらずのんびりやってます。
※自力で来る人用案内
じーまさんが画像用意してくれました。
走行してるとだんだん不安になってくる道ですけど頑張れば着きます。共生舎に向かう方向に向かって写真を撮影しています。
ニート祭り2019、運について
まだ山奥に戻っていませんが、ようやく安定したネット環境の場所に着きました。
ニート祭り2019お疲れ様でした。
立ち見多くて大変そうでした。年々人が増えてる気がします。
最後の「運」についての話を上手くできなかったので、あの後考えたことを書きます。
ニートはどうしたら幸せに生きていけるか、という問いに対して若新雄純さんが「ニートで成功するのは運がいい奴だ。人生運が7割」と言っていた。
でも、この「運」という言葉が使われるとき、二種類の意味がある。
僕らが人生において運という言葉を使うとき、それは多くの場合「縁」のことを言っている。若新さんが笑顔と清潔さで引き寄せられると言っていたのはこっちのほうだ。
最近になってようやくわかってきたけど、人間ってのは気づかないうちに他の人のお世話になってるらしい。
冷蔵庫にプリンがあったらラッキー!と思うけど、それは僕のためにプリンを残して置こうと思った人がいるからだ。乱数によって分子構造がプリンの形態を偶然取ったからそこにあるわけじゃない。僕のことを考えてくれる人がいたという「縁」があったから、プリンがあるのだ。身だしなみを整えるのが苦手な僕にとっては耳の痛い話ではあるけど、きっといつも笑顔で清潔そうな格好をしていれば、「縁」は強化されていく。
だけど運ってそれだけじゃない。
笑顔で清潔な人と、怒ってて不潔な人がサイコロを交互に振って、どちらかの出目が常にいいなんてありえない。この世界には「縁」じゃない純粋な「運」がある。生まれながらの障害だったり、雷が落ちて感電したり、どうやったって自己責任にできないことがある。
僕はTRPGやボードゲームが好きだ。ゲームをしていると、どうしたって「運」と向き合うことがある。性格がいいやつが勝つわけじゃなく、絶対に負けたくない非道な奴にも、「運」で負ける。低い確率の不利益が連続して起こると、プレイが雑になって、悪態の一つもつきたくなる。
ポーカーには「ティルト」という言葉がある。「プレイヤーが感情にかられて合理的な行動ができなくなった状態」という意味だそうだ。僕はポーカーをやらないけど、その気持ちはよくわかる。また1ゾロかよ! また土地かよ! 嫌になってくる。
プロのポーカープレイヤーはティルトをどうやって回避してるんだろう。ある人はこう言う。「ポーカーが単なるゲームだってことを思い出すんだ。ゲームを楽しめなくなっていたら、もうプレイする必要はない」。
僕は運のいいニートだ。「縁」のいいニートだったと言ってもいい。
だけど、本当の「運」はまだ試されてない。これはコントロールできない。
「運」が悪いとき、せめてティルトに陥らないようにしないといけない。
僕はニートで人生経験が少ないから、自信がない。
だから僕は、小さな楽しみや可笑しさを見つけるんだ。
人生がゲームで、楽しいものだと常に思えるように。
2018年延長戦
本が終わらなかったので2018年延長戦です。
山場を超えてから一歩も進んでない。
2018年はこんな感じの一年でした。
1月
- 本を出版を目標とする。山奥ニートは日々変化していて、ここらへんで一度形にして記録しておきたかったから
- 朝日放送『取扱注意 ぬるま湯くん』2018/01/12放送
- 日経ビジネス 2018.01.22 No.1925『今週のピックアップ』
2月
- CBCラジオ『北野誠のズバリサタデー』2018/02/03放送
- NHK和歌山『あすのWA!』2018/02/05放送
- 東京でイベント『ニート祭り2018 ~ひきこもらず、ニート的感性で生きる!~』
- イベントバーエデン本店で山奥ニートバー
- 疲れすぎて一週間寝込む
- 女性セブン 2018年2月15日号『「老いたる村」が楽園になっているじゃないか』
3月
- 出版社決まる
- 妻の元交際相手がストーカーしてくるので警察、弁護士に相談
- 記者さんの車が嵌って、レッカー車を呼ぶ
4月
- 村の祭り
- 新婚旅行にフィリピンへ行く
- 共生舎に女性が住み始める
- エデン名古屋に行く(め氏)
- テレビ朝日『サンデーステーション』2018/04/29放送
5月
- 無印良品の取材
- GW気分が抜けず、日向ぼっこして一日終わったりする
6月
7月
- 本を書くために妻の家から図書館通い
- 中退した大学に侵入するも、怖すぎてすぐ帰る
8月
- 毎日放送『VOICE』2018/08/16放送
- Yahooニュースにまとめられて少し話題に
- 妻の実家(青森)に行く
- NHK『クローズアップ現代+ ひきこもりルネッサンス』2018/08/29放送
- エデン名古屋で山奥ニートバー
9月
10月
- 本のために住人にインタビューをする
- 妻としていたマーベルシネマティックユニバース全部見るマラソン完走
11月
- 本の締切に設定していたけど無理。わかってたけど
- 村の祭り
- 本で「よくある質問」が知りたかったので2chにスレ立てる
12月
- 人を追い出したり、追い出さなかったりする
- 地域の人が共生舎すぐの崖に車ごと落ちる。救急車消防車警察が来る
- 雪虫に関するツイートがバズったけど別に何も起こらない
- かぼちゃ貰ったり、みかん貰ったり、りんご貰ったりする
- 地域おこし協力隊の人のクリスマス会でご馳走になる
13月
- 本完成?
やっていきたい・・・。
難なく本書いてる借金玉さんやえらいてんちょう凄すぎる。
SSSS.GRIDMANのテーマは友情ではない
独りじゃない。いつの日も、どこまでも
『SSSS.GRIDMAN』のキャッチコピーです。これは原作である『電光超人グリッドマン』のOP曲の以下の歌詞の引用です。
もしも心をすりむいても おびえないで もう君は一人じゃない
作中では何度も「友達」という言葉が使われます。六花は自分がアカネの友達だと言うし、グリッドマンは最終話で「友情の大切さを改めて知ることができた」と言います。
だけど『SSSS.GRIDMAN』のテーマは友情ではないです。
この作品で引っかかってる人って、たぶん友情がテーマだと思ってるんじゃないかと思います。最終話見るまで僕がそうでした。
もし友情がテーマだと見た場合、正直この作品はあまり良い出来とは言えません。
六花はアカネの友達という設定を覆すことができません。どんなに六花がアカネのことを友達だと思っていても、それはアカネがそう設定しただけです。結局、最後まで六花が神の意図を越えることはなかったように思います。
内海は1話で記憶喪失の裕太に優しくしていましたが、結局それは裕太ではなくグリッドマンでした。本物の裕太と内海の間には友情があったんでしょうが、作中での友情はかりそめのものです。
『SSSS.GRIDMAN』の本当のテーマはなんなのでしょうか。
この作品は過去作へのオマージュがたくさん盛り込まれています。
『電光超人グリッドマン』はもちろん、キャラクターのデザインはトランスフォーマーへのオマージュ(SSSS.GRIDMANのトランスフォーマー要素解説 その1 - ニコニコ動画)です。その他、ウルトラマンシリーズ、スーパーロボット、金八先生、実相寺昭雄、大張正己、金田伊功などなど。
作品のほとんどがオマージュで構成されてると言ってもいいくらいです。
僕は『SSSS.GRIDMAN』のテーマは「創作への賛歌」だと思います。
最終話でアカネは現実世界に戻り、覚醒します。おそらくひきこもりだった彼女はこれから部屋の外に出ていくことでしょう。
そので彼女の力になるのは、六花たちの世界での出来事です。六花たちは彼女が作った創作物に過ぎません。だからと言って、六花の言葉に意味がないわけではない。
六花という存在を作れたアカネなら、きっと六花のようになることもできるはずです。
この物語は結局、アカネが見た夢でしかありませんでした。でもその夢こそが人間にとって大事なんです。
この作品がオマージュだらけなのは、たくさんの過去の好きな作品から力をもらってこの作品ができたことを伝えるためです。スタッフの趣味というだけじゃない。
人は創作物から力を貰うことがある。
「アニメやゲームなんて時間の無駄だ。そんなものをしたって現実は何も変わらない」なんて言う人がいます。
そんなわけがない。
人間にとってフィクションは必要です。
古代の人類は壁画を書きましたし、宗教だって言わば創作物です。
人間はフィクションによって発展してきたし、フィクションによって殺し合いになることもあった。
アカネがアニメの世界に浸った理由は明かされません。学校でいじめられたのかもしれない、親との関係が悪かったのかもしれないし、友達と死別したのかもしれない。
だけどアカネには、大好きな特撮があるし、自分の創作物もある。
「独りじゃない。いつの日も、どこまでも」なんです。
アカネはクラスメイトを殺し、裕太も殺そうとしましたが、罰を受けることはありません。だって自分の創作物を直したり消したりするのは、何も悪いことじゃないですから。
最終話でアカネは六花から定期入れをプレゼントされますが、現実世界にもそれと似た定期入れがあります。
いろんな解釈の余地がありますが、一番夢のないものだと「もともと持っている定期入れを、自分が創作したキャラクターから貰ったものだという設定にした」というものでしょうか。でもそれで全然いいんです。それだけで彼女は独りじゃなくなる。
『SSSS.GRIDMAN』は一見「友達は大事」だというメッセージなようで、実はその逆で「友達がいなくても、君は独りじゃない」と言っているんじゃないでしょうか。
単純に友達の大切さがテーマだった1993年の『電光超人グリッドマン』を引用しつつ、2018年に合ったテーマに作り変えた『SSSS.GRIDMAN』 。
素晴らしい作品だったと思います。
余談1
SSSS.GRIDMAN 第4話小ネタ解説 - ニコニコ動画がとてもよく出来ているのでおすすめ。4話~11話まであります。たぶん最終話も上がるはず。
余談2
裕太がグリッドマンに選ばれたのは、本来アカネのことを好きになる設定だったのにバグって六花のことを好きになったから、なわけです。
で、現実世界のアカネはコンピューターワールドのアカネと違って、立花みたいに長い髪の毛です。六花はアカネの最高の友達として設定されているから、きっとアカネ自身のこともたくさん投影されているでしょう。
裕太が立花に惹かれた理由(バグが起こった理由)が、六花の中にある現実世界のアカネ成分だとしたら、エモいなぁ。そうだとすると、あの世界で唯一裕太だけは現実世界のアカネを肯定してることになるわけで。
余談3
9話「夢・想」は本当に素晴らしい出来でした。
1話単位で見たら『SHIROBAKO』の23話以来です。
アカネが可愛すぎて、歯を食いしばって耐えないと発狂しそうでした。
お墓のシーンの空の青がとても印象的です。
監督は五十嵐海さん。名前覚えとこ。湯浅政明っぽくて好きな作画。
余談4
TRIGGERの次回作は映画『プロメア』。
グレンラガンとキルラキルの監督今石洋之×脚本中島かずきだから期待しないわけにはいかない。久しぶりに映画館行こうかな。
祭りを手伝う山奥ニート
11月3日は集落のお祭りでした。
祭りと言っても、屋台が出たり、神事を執り行ったりするわけじゃない。
昔はちゃんとした祭りで、獅子舞も出てきたらしいけど、今では集落に住んでいるのはたったの7人。
年々簡略化されていって、今ではお宮にお供え物をして、もち撒きして、みんなでお弁当を食べるだけになってしまった。
だけど今年は共生舎から12人行ったからかなり賑やかだったなぁ。
良いことです。
お宮は山を20分ほど登った場所にあるから、爺さん婆さんだけでは大変だ。
今年は手がたくさんあったから楽だったな。
一年に秋と春の2回しか原住民に会う機会はないから、この時くらい顔見せしたい。
限界集落と言っても、実は関係人口は結構多い。
普段は近くの町に住んでいて、盆や正月などにこの集落に集まる家族が何組かいる。
盆や正月の時は家族水入らずでお邪魔したら悪いかなと思って、声をかけない。
でもこの祭りにも来てくれたので、顔見せできた。
そこから草刈り頼まれたり、何かに繋がることが多いからね。
でもたくさん飲んだからあんまり覚えてないです。毎年こう。