を読んだ。
これは僕にしかわからない漫画だ、と思った。
結局、思ったことは「グミ・チョコレート・パイン」と同じになってしまうんだけど、あっちは完全に物語として書かれている。どうしようもない現状を「物語」として完結させているところが、あの本の奇跡的なところだ。
それに対して、この「僕の小規模な失敗」はというと、作者の自伝漫画だ。
だから、学歴なし、お金なし、モテない、という主人公が一途だとか、性格が良いとか、面白いだとか、才能があるだとかそういうのは一切ない。
ヒロインだって、美人で頭が良くて育ちが良くて処女だなんてことも一切ない。(っていうかあんな女と簡単に一緒になっていいのかー、大丈夫なの?)
徹底してリアルだ。
だからこそ、僕は久しぶりにあの頃のことを思い出して、うわあああああああああああああああとなった。
物語ではないので、物語としての完結はしない。
「終わり」と出たあとも、続くのである。
だけど、なんの結論も出ていないわけではなくて、物語として落ち着いくことに成功している。
それが、主人公が「幸せな人生だった」とラストに考えることである。
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と、普通の人なら、これで「めでたしめでたし」となるんだけどなー。
僕ならわかる。
僕も昔を思い返して、そういう風に思うことも一瞬ある。
でも、それは汚いところを思い出さないようにしているだけなのだ!
時間が経ったって美化なんかされないから!
あの頃は、どうしようもなく最悪で、本当に最悪で、「なんでもないようなことが幸せだったと思う」なんてことは一切ないんだ!
この漫画は誰にも勧められない。
絶対理解できないだろう、あの気持ちは。
これを読んだ大抵の人は面白くないと言うだろうし、面白いという人も上っ面だけで見てるだけだ。
だけど、これを読んで、主人公にどんな感情を抱くのかは聞いてみたい。
それはそのまま、僕に対するものと同じだから。