山奥ニートの日記

ニートを集めて山奥に住んでます。

Netflix『ドラゴン王子』が王道ファンタジーしてて面白い

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『アドベンチャー・タイム』ロスから立ち直れません。

『SSSS.グリッドマン』も『ゾンビランドサガ』もそこそこ面白いけど代わりにはならないよ……。

そんななか、Netflixオリジナル作品『ドラゴン王子』をタイトルのダサさに惹かれて見たんですよ。

その時リビングには僕の他に3人いたんですが、全員嵌っちゃって結局一気にシーズン1最後まで見てしまいました。

それどころか、そのまま1話に戻って2周目も最後まで見そうな勢いだった。

でも、ウィキペディアにないし、感想言ってるブログも少なかったので僕が書く。

山奥ニートについては僕が書かなくても誰かが書くが、ドラゴン王子は僕が書かなきゃ誰が書く!

騙されたと思って見てくれ『ドラゴン王子』!

 

2018年9月16日日本公開。
Netflixオリジナル作品
シーズン1は全9話×26分。
原作・制作: アーロン・イハス、 ジャスティン・リッチモンド

■あらすじ

公式のあらすじわかりにくいんで自分で書きます。

 

魔法の国ゼイディアと人間の国カトリスは戦争直前の状態にあった。
人間がドラゴンの王を殺して、その卵も破壊したからだ。
エルフはその報復に人間の王と王子を暗殺する計画を立てる。

暗殺部隊の1人であるエルフの少女レイラにとってはこれが初仕事。
城の近くで決行の時を待つレイラだが、人間の兵士に発見されてしまう。
こともなく兵士を追い詰めるレイラ。しかしその怯えた目を見て、殺さずに逃してしまう。殺さなかったことを暗殺部隊の隊長から責められたレイラは、待機しろという命令を無視して、単身で城に忍び込み王と王子を暗殺することにする。

一方、王の息子カラムは剣の腕も乗馬もからきし駄目。憧れの女性にも笑われる毎日。王と血の繋がっていない彼は、自分に何ができるのか悩んでいた。

カラムの義理の弟で、王の実の息子エズはいたずら好きで周りに迷惑ばかりかけてばかり。友達はペットのカエルしかいなかった。

レイラに襲われて、逃げるカラムとエズ。逃げ込んだ部屋には、破壊されたはずのドラゴンの卵があった。これをドラゴンに返せば、復讐の理由はなくなり戦争は止まるはずだ。

しかしその時、エルフの暗殺者たちが城に侵入。人間の王は殺され、王の側近である魔法使いヴィレンによってカラムとエズも死んだことにされる。

このままでは人間の国と魔法の国の全面戦争になってしまう。戦争を止めるためにカラム、エズ、レイラの3人は卵を持ち出し、ドラゴンに返すための旅に出る。

■感想

王道ハイファンタジー、しかもボーイ・ミーツ・ガール!

なんかね、作り手を信用できるんですよ。

監督も脚本も、少なくとも日本じゃ有名な人じゃないんだけど。

たとえば敵に追われて逃げる主人公。そのときに、単に走るだけじゃなくてカーテンをかぶせたり、飾ってある鎧を倒したりして追手を妨害するんです。

それだけのシーンなんですが、主人公がちゃんと考えながら逃げてることがわかる。

それができてない作品ってけっこう多いですよ。そうなると、もう主人公がこのとき何を考えていたかとか考察する意味がなくなる。単なる脚本の都合で動くキャラクターになってしまいます。

この作品の登場人物は、しっかりと自分の立場と価値観で物事を考えています。だから生き生きとして見えるんじゃないかなぁ。

ファンタジーっていかにその世界が本当に存在すると思わせられるかってジャンルだと思います。
この作品の場合、盾の裏面にリベットがちゃんとあるんですよ。盾の表のパーツと裏のパーツがどう組み合わさっているのかが想像できる。

別のシーンでは、ドラゴンが瞬きするんですが、そのときに瞬膜が閉じるんです。これは現実の爬虫類などにある器官なんですが、それがちゃんと描写されてる。ドラゴンが生き物として描かれてるんです。

そういう細かいところの積み重ねが、この世界は本当にどこかにあるんだと思わせるんだと思います。

いつの間にか「ファンタジー」という言葉が「ゲームみたいな世界」の別名になってしまいました。

僕が見たかったのはそれじゃないんだ!

こことは違う世界、こことは違う常識で動いている人間が見たいんです。

『ドラゴン王子』はそのふざけたタイトルとは裏腹に、実に真面目にファンタジーしています。

思想も立場も違う主人公たちが協力して、大きな敵と戦う。

ベタだけど古くない。王道だけど、先が読めない。

キャラクターを掘り下げつつ、大きな物語に繋げる。

これがどれだけ難しいことか。

『ドラゴン王子』は信じられます。

みんな『ドラゴン王子』を信じろ。

 

■ドラゴン王子の魅力

・ダサい邦題

『ドラゴン王子』ってなんですか。ドラゴンプリンスじゃ駄目なのか。
でもドラゴンプリンスだったら僕は見てなかったなぁ。
このダサさがいい。海外ファンタジーっぽい。ドラゴンプリンスだと乙女ゲーみたいですね。
ドラゴンプリンスだと日本では他の作品の商標にひっかかるという噂も。

・王道ハイファンタジー

ライトノベルでよくあるRPG的な世界ではない、確固たる世界観。
背景美術が細かくて、中世ヨーロッパ風世界が美しいです。
今どきこんな王道なファンタジー珍しいのでは。
それともゲーム・オブ・スローンズの影響で、アメリカではハイファンタジー復古の流れがあるんだろうか。
魔法にいちいち触媒が必要なのがたまらないです。

・派手なアクション

3DCGですが、レベルはそれなり。でもアクションの動きがいいです。
後述の特殊な武器を使ったアクションシーンは一見の価値あり。
枚数少ないからちょっとカクカクしてますが、これはあえてみたいです。(英語版Wikipediaより)
個人的には大賛成。日本のアニメでCGだけなめらかすぎて手書き部分から浮いて見えることがよくあります。CGに合わせてコマ増やすよりも、CGのコマ数減らす『ドラゴン王子』の手法は正しいと思う。
影の付け方やディティールの省略の仕方が『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』に似てますね。技術の進歩でリアルにできるようになったけど、あえて省略して見やすくする手法はこれから増えていくんじゃないでしょうか。

・よく練られた脚本

脚本がすごく丁寧です。
1話の中だけでも伏線と回収がしっかりあるし、そことそこが繋がるのかーと忘れた頃に繋がっていくものもあるので気が抜けません。
シーズン2に向けて残された謎も多く、考察しがいがあります。
第一シーズンは3部構成です。
1~3話:王国の城編
4~6話:旅のはじまり編
7~9話:呪われたカルデラ
3話ごとに、書くべきことがしっかりと定まってるんですよ。
第一部は主人公たちがなぜ集い旅に出るのか。
第二部は主人公たちが互いに信頼していく様子。
第三部は主人公たちの成長がテーマです。
これがしっかりしてるから、どこに注目すればいいのかわかりやすくて見ていてストレスがない。
こういうの、日本のアニメの職人芸とは違って、アメリカではしっかり方法論が確立している気がします。

・魅力的なキャラクター

絵柄がアメリカンなんで、ちょっと抵抗があると思います。
アメリカの二次創作でこういう絵柄をよく見ますね。
頬の赤みを不自然に感じるのは日本人だからなんでしょうか。
まぁ見てるうちに慣れます。

・カラム

人間の王子(兄、養子)、15歳。
剣は苦手なんだけど、1話時点から頭いいんですよ。
ちょっとお調子者だけど、機転が効いて、根はいいやつ。
主人公が頭よくて解決策をどんどん出していくのは気持ちいいですね。
それでも大体は敵わないというバランスもいいです。
最終話ではまさに「主人公はこうでなくっちゃ!」って感じでした。

・エズ(エズラン)

人間の王子(弟)。
一番年下だけど一番有能。もはや呼び捨てにできない。
エズさん。いやエズ国王。さすがは王の器。人間の国は安泰ですね。
ペットのカエル(?)の色が変わるのがアニメ的に面白い。
怒ってる=赤、気分悪い=紫など。しかしあのカエルも只者じゃなさそうだ。
最初、カエルがドラゴン王子なのかと思ってたよ。

・レイラ

エルフの少女。
人を殺せない暗殺者。
弱みを見せないようにするのが実にエルフっぽくていいですね。
2人にまともな戦闘力がないから、最初は八面六臂の活躍。
でもだんだんと弱体化していく脚本が上手い。
露出は少ないんけど、お尻がセクシーです。
ここまで恋愛フラグが立ってないのも日本のアニメに慣れてると新しく思えます。
この世界のエルフは何種類かいて、彼女はムーンシャドウエルフです。満月の日は透明になって強くなります。
今あらためて見たら、髪型がNARUTOのサクラっぽいですね。走り方もNARUTO走りだし、スタッフにファンがいるのかもしれない。公式Twitterではナルトの誕生日をお祝いしていました。

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・ヴィレン

人間の国カトリスの魔法使い。敵っぽい。
主人公たちを殺せと自分の子供たちに命じます。
でも悪い人じゃなさそうなんだよなぁ。1話では本気で王様のこと助けようとしていたように見える。どこまで本心なのかわからないけど、この人の考えはよくわかる。

・アマヤ叔母さん

国境を守る人間の将軍。女王(故人)の妹だから主人公たちにとっては叔母さん。
盾を使ったアクションめっちゃ格好いいっす。
この人、生まれつき耳が聞こえないらしく、話すときは全部手話。
武器は背負っている大きな盾。
盾の先に割れ目が入っていて、ソードブレイカーのようにも使える。ちゃんとショートソードも携行していて、トドメをさす時はそっちを使うのもポイントです。

・武器が格好いい

登場人物が使う武器が全部格好いいんですよ。
主人公のひとり、エルフのレイラが使う武器は大きいバタフライナイフで、納刀モード、剣モード、鎌モードの三種類に変形します。
攻撃するときは剣モード、登攀したり足払いするときは鎌モードと自在に使い分けるのが実に鮮やか。
暗殺者のリーダーの武器も剣モードと弓モードがあるので、エルフの武器は全部2つの使い方があるんでしょうか。二刀流であることも、後々物語的に意味を持ってくるのがにくいです。
他のキャラクターひとりひとりの武器もそれぞれに工夫やギミックがあるので要チェックです。

・吹き替えのほうがいい

この作品は日本語吹き替えのほうがいいですと思います。
訳がおかしいなと感じる部分はあるんですが、主人公の憧れの女性クラウディアの声が日本語吹き替えのほうが圧倒的に可愛い。英語版だとかすれ声のおばちゃんみたいな声なんですよ。
字幕版は字幕版で、固有名詞を覚えられるという利点はありますけどね。 

 

ツイッターの感想まとめ

ほんとにこの作品は情報や感想がまだ少ないんですよ!
英語版のWikipediaもそんなに充実してるわけじゃないし。
でも面白いんですよ!

 

 

 

 

 


シーズン2の予想

2018年10月現在、シーズン1しか公開されていません。
ここからシーズン1のネタバレになりますので気にする人は読まないでください。

・王は死んでないのでは?

入れ替わりの魔法をあんなに意味ありげに出しておいて、何とも入れ替わってないのはありえないです。肉体が死んだので、エルフの誓いが解けましたが、王の精神は生きていて何かと入れ替わっているはずです。一番怪しいのは王のペットのオウムです。意味深にヴィレンが話しかけるシーンもありました。
そうなるとやっぱり魔法使いヴィレンはいい人っぽい。

・ドラゴンの王も死んでない?

ドラゴンの王も死んでるシーンを映さないから何かありそうです。
人間の王は何か責任を感じていましたが。
アバンタイトルに出ていたトリケラトプスのようなフリルのついたドラゴンは、ドラゴンの女王なんでしょうか。ドラゴンの王が空属性でしたが、女王は太陽属性なのかな。
まぁ魔法の生き物だし単体生殖できるのかもしれないけど。

・カラムの本当の父親は?

カラムはまだ王様のことを「義理の父」としか呼んでないんですね。いつかシーンがあると思いますが、あくまで彼は養子です。本当の父親がどこかにいるはず。わざわざ王様が養子を取るなんてよくわかりません。異常なまでの記憶力のよさと魔術への適正は何かの伏線なんでしょうか。なんとなく人間じゃないっぽいです。でも王が隠すくらいだから、あまり明るい話ではなさそう。

王が死ぬ前にカラムに託した手紙がありましたが、カラムが落とした後はクラウディアの手に渡っていました。ここにカラムの出自が書かれているんじゃないでしょうか。

・カラムvsソーレン、クラウディア

カラムvs初恋の人クラウディアはやって欲しいなぁ。クラウディアって自覚なく殺しかねない魔法使いそう。一回ガチバトルして欲しいです。息の匂い嗅がせてくる女なんてやめたほうがいいよカラム。

剣の師匠のソーレンとの戦いもアツいです。その時カラム側は魔法を使えない状態で、剣同士で戦って欲しいなぁ。この作品は「わかってる」のできっとそうしてくれると信じます。

今の所ギャグキャラっぽい彼らですが、どう主人公たちの前に立ちはだかるのか、ワクワクします。

・シーズン1のキャラクターが再登場?

アマヤ叔母さんとはきっと会うことになるでしょうね。馬に乗ってるから国境近くに先回りしているでしょう。
7話の魔法の短剣を持ったおじさんも再登場しそうです。あるいは彼に短剣を奪われたサンファイヤーエルフが出てくるかも。

・ヴィレンが持つ鏡とは?

この作品、まだ悪者らしい悪者がいないんですよね。だから奥に黒幕がいそうです。怪しいのはこの鏡くらいで、これが地獄とかに繋がっていてそこから黒幕が出てくるとかありそう。

・謎の箱

カラムが冬用のロッジから持ってきたおもちゃの箱。属性に反応するようですが、謎に包まれています。空、大地、太陽、月、星、海の6属性集めると開いたりするんでしょうか。六面体というのがTRPGのサイコロを思い出させます(むこうならTRPGと言えばD&Dだろうからd6はあまりファンタジーってイメージではないかも)。

ベイトにも反応してましたね。あいつ何属性なんだろう。光るから星か太陽?

・シーズンいくつまであるのか

BOOK1が「月」なので、6属性(+闇)分のシーズン6か7まである可能性が高いです。1シーズン9話だとすれば、54話か63話ですね。まだまだ楽しめそうで安心。だけどいきなり50話以上あると言われると見る気がなくなってしまったかもしれない。今のこのタイミングで出会えてよかった。

・カラムの絵が世界を救う

カラムが絵を描くのが得意だということは1話の最初の出番の時から言われてるんですよね。芸術的な剣さばきの話。カラムが魔法を使えたり、記憶力がよかったりするのは出自によるものだと推測できます。でも絵が上手だということは彼自身で身につけたもの。産まれではなく最後は彼自身の力が鍵となる話にちゃんとしてくれるはずです。

『ドラゴン王子』を信じろ。

 

シーズン2が待ち遠しい

シーズン2は2019年公開です。

やっぱりクラウディアとのバトルになるみたいですね。

魔法の源を失ったカラムの修行編もあるのかな。

待ち遠しいなー。

みんな来年までに『ドラゴン王子』シーズン1見よう!