山奥ニートの日記

ニートを集めて山奥に住んでます。

山奥に住みます

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1月の後半はずっと共生舎にいました。
元々は行くつもりなかったんだけど、代表の山本さんに電話したら一度僕に会って話がしたいと言われた。
僕としても山本さんのことはOくんから話に聞くだけなので、ここらで会っておこうと思い、残っていた18切符で大阪へ。

9時間鈍行に乗って降り立った駅にいたのは、小さなお爺さんだった。
仮にも引退したとは言え、ひとつの組織をゼロから立ち上げ大きくした経営者なのだからスマートな格好をしているかと勝手に想像していた。でも実際の山本さんはボロボロの服を着ていて、声も弱々しく生気がなかった。
山本さんのお宅につくやいなや、一分一秒が惜しいかのようにさっそく共生舎のこれまでとこれからの事の話してくれた。
山本さんの考えは僕の考えと完全に一致していて、僕は何も言うことがなくて、変に共感を見せても軽い男だと思われそうなので、相槌ばかり打っていた。

この世の中は生き辛すぎる。逃げ道が必要だ。
ベーシックインカムなんて日本じゃ実現しないだろう。
生活保護なんてもらえるかどうかわからない。
なら、自分たちで別の道を歩くしかない。
僕の小学生の頃、クラスにスリランカからの留学生が来たことがあった。
彼は、日本はスリランカより何十倍も豊かなはずなのにひとりの居候だって養えない。スリランカじゃ助けあうのは当たり前なのに、と言っていた。
決して日本人が他人に無関心ってわけじゃない。日本人は親切でやさしい。実際問題として多くの日本の中流家庭では、ひとり食い扶持が増えたら家計が成り立たないのだ。
僕の心の中にはそれがずっと残っていて、大人になったら「金のない奴は俺んとこへ来い」と言えるようになりたいと思っていた。
思えば子供の時何度も将来の夢を聞かれたけど、僕はなりたい職業なんてなかった。でも、なりたい大人像はあったのだ。
山本さんは自分の経歴を僕に話し終わった最後に、こう言った。

「また新しいことをやろうとしてるんやけど、時間切れっちゅうわけや」

今の共生舎には誰も住んでいない。
イベントがある時に集まるだけだ。

でももし誰かがいつも居るなら、仕事だって舞い込むし、駆け込み寺のようにも機能するだろう。
僕には時間がたくさんある。
老人のやりたかったことを、若者が継ぐ。それは僕の思いあがりだろうか。
山本さんがおだてるのが上手いのもあって、晩御飯をごちそうになる頃には僕はすっかりその気になっていた。

次の日、その足で共生舎に行くことにする。
スタッフのTさんやIさんにはいきなりのことで迷惑だったかもしれない。
でも山本さんの命は尽きかけているように見えて、1日だって惜しいと僕は思ったのだ。

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とはいえ真冬のこの時期、僕ひとりでやることもなし。
共生舎に2週間いて僕がやったことは、ネットして、アニメや映画を見て、散歩して、ビールを飲むことだった。
つまり普段と一緒。
それが確かめたくて2週間いた。
僕は山奥でも今と同じように暮らすことができる。今の暮らしを10年続けてもどん詰まりでいいとこフリーターか社畜だけど、山奥で10年も暮らしたらなんか面白いことになるかもしれない。
それだけでも僕にとっては大きなメリットだった。
その気になれば面白い人と出会えるかもしれないし、何かの技術を身につけられるかもしれない。
だから僕は和歌山の山奥に住むことに決めた。
いつまでかはわからないけど、今のところ不便は見当たらない。
もちろん親も了承済みだ。

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僕には山奥の一軒家が与えられた。
最寄りのアニメイトまで3時間かかるけど、wifi完備でAmazonだって届く。
車の運転は自信がないが、免許は持ってるんだしなんとかなるだろう。
確かに凍えるほど寒いけど、こたつに入れば我慢できないほどじゃない。
あんまり農作業はやったことないけど、自由に使える畑がある。
僕の好きな本を持って行って本棚をつくろう。
罠猟なら簡単な講習と試験で免許取れるそうだ。
山菜の採り方も教えてくれるって。
夏になれば目の前の川で魚が釣れる。

だけどひとつ問題がある。
ひとりで暮らすのはコストパフォーマンスが悪いってことだ。
ひとり暮らしじゃ料理だって張り合いがないし、畑だって少ししかできない。
だから僕は仲間を探しにいく。
向こうに行ってニコ生で配信してりゃ、そのうち興味持つ人も出てくるだろうと思ってるからそんなに積極的に勧誘するわけじゃないけど。

ネットと飯と家賃にゃ困らないので、誰かおいでよ。

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