2017年8月17日。
青森の一泊1900円のホテルをチェックアウトする。
僕は慣れないスーツを着ている。万が一にも遅刻するわけにはいかないから、待ち合わせの30分前から待っていた。
一台の車が停まる。
乗っているのは僕の両親の年齢くらいの男女と、20代の若い男の子。
僕とこの人たちは他人だ。
でもこれから家族になる人たちだ。
飛行機で来た僕の両親と彼女に合流。
つづがなく結納とかいう儀式を済ませた後は、青森のいいところを車で案内してもらった。
それにしても、このホヤって食べ物はわけがわからない。
世界を見ても、こんな不思議な食べ物ないと思う。
外見は南国の果物、中身は蛍光オレンジ。
においはガソリンのようだと聞いていたんだけど、新鮮なためか無臭だった。ちょっと残念。
味は「海」としか表現できない。無理やり言葉にすると薄い塩味と苦味。
食感は柿の熟れてぐずぐずになった中心部分。
でも僕がホヤを変わった食べ物だと思う理由は、見た目でも味でも食感でもない。舌が騙される感覚があるんだ。
ミラクルフルーツを食べた後にレモンを食べると甘く感じるアレによく似てる。
ホヤを食べた後に水を飲むと、味の素を一気に舐めたような強烈な旨味が来る!
口の中の唾液にも反応して、どんどん旨味が旨味を呼んでいく。むせ返るくらいの旨味だ。
青森のスーパーではこれが1個100円ほどで売られていた。安い。
まぁここまで言っておきながら、この舌が騙される感覚は誰にも(これから僕の父と母になる人にも)共感されなかった。
いやー、2回食べて2回ともこの感覚味わったから、あると思うんだけどなー。