静岡で、肉まんのおでんを食べた【富士の白雪】
名古屋から東京行く途中、静岡の「天神屋」行ったんですよ。
天神屋っていうのは静岡によくあるお弁当やお惣菜のチェーン店で、おでんも売ってるのが特徴。というか正しい静岡おでんは駄菓子屋とかラーメン屋の片隅に、ひっそりあるものなので、ある意味正統派とも言える。
で、寒かったからおでん買ったんです。
だけど僕そんなにおでん好きじゃないのね。大根を茹でた時の臭いが嫌いでさ。いつもは食べない。でも久しぶりに静岡来たし(去年11月にも行ったけど)、少しは名物っぽいもの食べようかと思ったのよ。
まずはがんもどき。理由は大きかったから。100円でなかなかこの大きさのものは食べれないよ。お得感ある。これに静岡おでんらしく出汁粉とあおさと味噌ダレをかけて。
それともうひとつ、なんか白くてぶよぶよしたもの。これはなんとなく『千と千尋~』でお父さんが食べてた奴っぽく見えたから。比べると全然似てないけど。
そしたら、白いのは美味いのなんのって。
まず、白いのが何かって、お餅。
大福の皮に似てる感じ。
そして中身が
中身が、豚ひき肉。
皮がお餅だから少し違うけど、肉まんとよく似ている。
肉まんをおでんで煮込んだやつ。
全然うまそうじゃないなこの言い方。
ちなみに僕は肉まんもあんま好きじゃなくて、自分で買って食べることはほとんどない。熱すぎるし、すぐ冷えるし、湿気で濡れてるし、パサパサだし。
でも、このおでんと肉まんが合わさった食べ物はとにかくうまい。
肉汁が出るのはいいことだ、みたいな価値観あるけどそれって結局ただの水分じゃんか。おでんで煮込んでしまえば、いわばすべてが肉汁。
皮はお餅だから、でろでろになってしまいそうなのに、上手く形を保っている。すごい。
この食べ物、名を「富士の白雪」と言う。
なんでも富士山にこじつけちゃいいってもんじゃねーぞ、と普段なら思うけど美味しさに免じて許す。
あー、3つくらい買って一気にすすりたいなぁ……。
価格は場所によって違うみたいで108円~140円っぽいです。僕が買った時は120円だった。
他にも千尋のお父さんが食べてた奴っぽいって言ってる人いた。
静岡おでん本当美味しい
— 雨宮伊織 (@_iori_n) 2018年1月11日
富士の白雪とかいうもちもちぷよぷよの肉詰め本当に美味しい〜〜〜
千と千尋のお父さんたちが食べて豚になったプニプニのやつを彷彿とさせる新食感。。🍢 pic.twitter.com/bf28Re20P8
ニート祭り2018やってきました
東京で『ニート祭り2018』とエデンの『山奥ニートBAR』をやり終えて、名古屋の妻の家に着いた途端、風邪をひいた。
それはもう、面白い程の体調の崩しっぷりだった。
妻の家に着いたのが月曜日。次の日の昼間までは、疲れが取れないなーいつものことかと思っていたが、だんだん寒気がしてくる。家中の布団をかきあつめてもまだ寒い。こりゃまいったと思う暇もなくバタンキュー。それから四日経った今、ようやく起き上がる元気が出てきたところ。
自分のキャパシティを超えることやるとすぐこれだ。
やっぱり労働は健康に悪いなー。
ニート祭り2018はこんな感じのところでやりました。
席はほぼ埋まっていたので、100人近く来たことになります、すごいですね。
ゲストは僕の他に3人。
市川で多様な働き方を目指す“We need you!プロジェクト”を行う小林園子さん
ひきこもりが特性を活かして人と会わずに仕事できるIT系株式会社「ウチらめっちゃ細かいんで」の山瀬健治さん
「ウチらめっちゃ細かいんで」はすごいなぁ。確かに、細かいところにこだわりすぎてしまいがちなひきこもりや発達障害持ちはプログラミングに適性ある人が多そうだし、苦手となる会社の付き合いなどもリモートで実際に会わずチャットで済ますことで軽減できる。とはいえ思うほど簡単に進まないだろうなぁとも思うのでどうなっていくか気になる。「めちゃこま」は昨年12月から始まった会社だ。
去年と違ってゲストが4人もいるので、自己紹介だけで時間がなくなっちゃってテーマについてほとんど話せなかったのが心残り。
「ひきこもらず、ニート的感性で生きる!」というテーマ、とても素敵だ。
僕なんかポジション的についついニート万歳となってしまうんだけど、ひきこもりはよくないわけです。ニートはよくて、ひきこもりはダメなのは何が違うのか、というようなことを他の人に聞きたかった。
例年のごとく、トークイベントの前に劇があってその中でNPOニュースタートの若者が思うニート的感性として以下の3つが挙げられていた。
・がつがつしない
・蹴落とさない
・ちょっぴりだけど人の役に立ちたい
うーん。最後のはどうだろう。とってもいいことだけど、じゃあ会社員は人の役に立ちたいと思ってないんだろうか? それは違うんじゃないかなー。
僕が思うニート的感性は「働かないのはいいこと」だという価値観です。
働かないといけないのと、働かなくていいのなら、働かなくていいほうがいいに決まってる。その当たり前のことを、経済学者や資本家や教師やメディアが洗脳してねじ曲げている。「働いたら負け」君が有名なだけで、実際のNEET当事者の多くはできることなら働きたいと願ってるという統計は知ってる。しかし無職でも求職者でもなくあえてニートという言葉を使うなら、やはりアイデンティティーはここにあるんじゃないか。
たとえ現状働かないといけなくても、いつか働かなくて済む日が来ることを祈ろうよ。今まで当たり前だったことが、未来では変わってるかもしれない。僕らが黒人奴隷の話を聞いて「当時の人たちはこれおかしいと思わなかったのか?」と思うのと同じように、未来の人は労働など下賤なものだと思ってるかもしれない。
そして楽をしようとする所から、人は進歩してきた。気合とか根性で乗り越えていたら、今でも木と木をこすり合わせて火を起こしているだろう。
働くことはよくないことだ。だから効率よくやろう。やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。
ただし、適度な労働は人生のスパイスとして認める。丸一日予定なくて昼過ぎまで寝てるより、午前中ちょっと動いたほうが充実するのはよくあることだから。
一方で、ひきこもるのはよくない。ひきこもると死にやすくなるからだ。孤独は寿命を縮めるし、コミュ力の低下は機会を無限に失う。死ぬのはよくない。弱々しくて死にかけたニートなんて全然格好良くない。たくましくて、殺しても死ななそうなニートが良いニートだ。
たくましいニート代表のかつやさんとのツーショットです。
次の日、エデンで山奥ニートバーやったけど疲れすぎて記憶がない。
手が回らなくて、お客さんにドリンク作ってもらったりして、感謝と楽しさがあった。
鶴見済さんが来てくださって、本当にびっくりした。
昨年のニート祭り2017の記事です。ゲストはphaさんでした。
まとめて告知、雑誌テレビラジオイベントBAR
なんか一気に来ました。
1月22日(月)発売『日経ビジネス 2018.01.22 No.1925』
2月1日(木)発売『女性セブン 2018年2月15日号』
2月3日(土) 9時00分~11時40分
CBCラジオ『北野誠のズバリサタデー』
東海三県のみの放送です。
2月5日(月) 18時30分~19時00分
NHK和歌山『あすのWA!』
和歌山県のみの放送です
2月10日(土) 18時00分~20時15分
『第12回ニート祭り ~ひきこもらず、ニート的感性で生きる!~』
参加費500円、事前予約制 当日OKになりました
都営新宿線「船堀」駅徒歩1分
2018年2月10日、第12回ニート祭り開催! | 認定NPO法人ニュースタート事務局
2月11日(日) 17時00分~22時00分
『イベントバー・エデン 山奥ニートバー』
チャージ500円、ドリンク500円
池袋駅徒歩20分、要町駅徒歩10分
豊島区千早2-18-4(GoogleMap)
特に山奥ニートバー来てください。
僕が一日バーテンダーとなって、カウンターに立ちます。
前回は「葉梨が働いているところを初めて見た」と非常に好評でした。
今回は妻も来れそうなので、美味しい料理が出せると思います。
お店の中の全員で、ひとつの話題を話せるというのはとても楽しいですよ。
なかなか和歌山に来るのは大変ですので、東京近郊にお住まいの方はこの機会にぜひ。
バーと言ってるけど、お酒飲めない人もぜんぜん大丈夫です。
あと、共生舎のホームページが消滅していたので、新しく作りました。
3時間くらいで雑に作ったので、おかしな所があったら教えてください。
虚無Tubeを仲間と見たら超面白かった
id:neji-koさんの記事まとめ
子供がYouTubeの“虚無”動画を見すぎている。それらの動画は素人がフリー素材で作ったつまらない動画ばかりだ。子供のためにやめさせるべきだろうか、という記事。
id:akasofaさんの記事まとめ
実際にうちの子供はこんな動画を見てます。虚無ですという記事。
これらの記事を読んだ時、その子供が見てるという動画を見てみた。
つまらないものばかりでうんざりしてすぐ消した。
興味深い話題なので、他の山奥ニートにこの話を議論したくなった。
「この動画見て、つまらないでしょ。最近の子供はこんなの見てるんだって」
そう言って見せた。
しかし、そいつは笑いながら最後まで動画を見たのだ!
嘘だろ、どう考えてもつまらない動画だ、と思って自分ももう一度見てみる。
あれ、面白いぞ?
お酒を少し飲んでいたのもあるかもしれない。
でも一人で見てた時と、山奥ニート仲間と見たときでは全然違う印象になったんだ。
例えばこれ。よく見れば合成がとても丁寧だ。ちゃんと作られている。BGMのクラシックがなんだか悲しくって、慌てる建物の表情とのギャップが面白い。解体動画ってなんだか好きだ。最後に風車が立つのがちゃんとオチになってる。
お次はこれ。サムネで見る気が失せたけど、動画を再生してみると子供の頃見たNHK教育のCGを思い出す。口を開けたり閉じたりしながら軌道上を決まった動きをするのが面白い。「はっはっは〜」っておっさんの声がいい味出してる。惑星を食べてから、その惑星になるまでの間が絶妙だ。地球を食べたから地球になるのかな?(予想)→本当に地球になった!(結果)というのはいないいないばあと同じ、人間に染み付いた原始的な遊びだ。
一番好きのはこれ。見ながらゲラゲラ笑ってしまった。車が走っている→ものにぶつかって壊れる、という流れが予想と結果であるのはさっきと同じ。こちらはさっきより少し高度で、たまにフェイントがある。「ここで車壊れるかな?」と思わせておいて壊れないパターンがある。骸骨にぶつかるところなんか最高。脈絡がなさすぎて笑う。人間、特に子供は死に対して興味を持つようにできてるんだろうな、そのほうが生き残りやすいから。
今となっては、これらの動画をなんでつまらないと思うのかがわからない。
言っとくけど、僕らが山奥に住んでるからって大麻でラリってるわけじゃないから!
一人で見ると理性が上回って動画に意味やストーリーを求めてしまうけど、誰かと一緒に酒を飲みながら見たらこれらの動画は超面白い。
わけわからんロゴが回る動画だって、GIFとしてTumblrで回ってきたらLikeつけるかも。
うちの山奥ニートG君が作った動画よりずっと面白い。音量安定してねえし、ノイズ入ってるし、大事なところカットしてるし、本当の虚無動画っていうのはこういうのなんですよ。
お父さんお母さん、安心してください。
うちのG君のクソ動画は再生数12回で、上記のid:akasofaさんのお子さんが見てた動画は面白くて再生数多いです。
子供でも、ちゃんと面白いものとそうでないものわかってますよ。
一人で見ると大人の理性のせいで色々考えちゃいますが、友達と一緒に見てみると、少しバカになれて子供の頃の感性を取り戻せます。
僕らがやってた昔のテレビゲームって、今見るとしょぼくて一人じゃつまんないですよ。でも、友達とやったら今でも楽しめるんじゃないかな。
子供の好きなものが理解できないなら、一度友達と一緒にそれをやってみてはどうでしょうか。
日記 2017/01/18
昼12時に目が覚める。とても天気がいい。あったかい。でも布団の中でだらだらネット。任天堂はニンテンドーラボで消耗するゲームを作りたいのかなと思った。ゲームって一度発売すると買い換える必要がない。でもダンボールなら消耗して買い替えが必要になるし、中古で売られることもない。消耗品は儲かる。
14時くらいに母屋へ。途中、鶏が散歩してて少し驚く。天気がいいから、居間のカーペットを干していた。叩けば叩くだけ埃が出てくる。この前、大きなこたつをもらったので模様替えしているようだ。窓も開けていて、暖かい風が吹き込んでいた。昨日の夜の牛丼が美味しくてたくさん食べたのでお腹は空いてない。気分が良かったので、炭酸水を作って飲む。炭酸水は酔わないビールだ。よく冷やして一気飲みすると気持ちいい。副作用はトイレが近くなることくらいだ。
部屋に戻って出版社の人へメール返信。ビジネス会話に慣れてないので、失礼に当たらないよう、慎重に文面を考える。時間がかかる。
夕方ごろまた母屋へ。模様替えが住んでいて、部屋の中央に大きなこたつ、端っこに中くらいのこたつという配置になっていた。小さいこたつは隣の部屋に移動された。テレビではNetflixから犬夜叉がずっと垂れ流しされていた。たまには居間で生放送しようとノートパソコンを持って来てこたつに陣取って、とりあえずいつものRSS巡回しようかと思ったところで、散歩させていた鶏が行方知れずになったとの報せ。みんなで一緒に探す。外は既に暗くなっていて、懐中電灯が必要だった。結局、何度も探したと思っていた植木鉢の裏にうずくまっていた。見つかって良かった。その間にやっさんがキムチ鍋を作ってくれた。飲みたい気分だったので、僕は冷凍庫にずっと眠っている2kgくらいの砂肝を、解凍してにんにくと醤油で焼いて鍋に添えた。出来に満足したので、お土産の黒霧島を水割りで飲む。犬夜叉面白い。高橋留美子はバランスがいいなぁ。老若男女楽しめる。
ヨシ君がボードゲームしようと言ったので6人で『お邪魔者2』をやる。中央のこたつにいた組には隅っこに移動してもらう。うまく出し抜いて1位になったけど、泥棒に集中攻撃されて3ポイント奪われてしまった。泥棒強すぎる。1位は最後に集中攻撃されるので、3ポイント以上差をつけて勝たないといけない。お邪魔者側も勝利条件の厳しさの割にリターンが少ないし、ゲームバランスがなんだかなぁ。道繋げ系+正体隠匿というコンセプトは好きなんだけど。そのあと『ニムト』『コヨーテ』をやった。ニムトは何回やってもわからん。コヨーテはだんだんと定石ができて来て、裏か表かの駆け引きがより明確になってきて良い。
ゲームの後にはるはらさんに小屋暮らしの話を少し聞く。G君が動画を投稿して居間に来た。何人かで見る。G君が動画制作を楽しんでいるようで何よりだ。日付をまたいでから、居間でYouTube生放送をした。G君も一緒に画面に映ってくれた。一人じゃない放送も好きだ。楽だし。1時間やって疲れたので部屋に帰った。結構お酒を飲んだようで頭がガンガンする。寝る。
過去記事掘り起こし
山奥ニートを始めたのは2014年4月から。
昨日今日と前のブログの記事をこのブログに移す作業をしている。
Tumblrから直接インポートする方法はないようで、一つずつコピペして画像をアップロードし直した。これが思いのほか時間がかかって、MPが減っていく。
2014年は今の元小学校の建物ではなくて、古民家に住んでいた。
最初は2人、夏頃に2人増えて4人になった。
もうはるか昔のことみたいだ。
数えてみると山奥ニートはもうすぐ4周年になるようだけど、感覚的には何十年も経ったかのようだ。それくらい山奥での暮らしは変化に満ちていて、今までの普通のニート生活より濃い毎日だったということだろう。
せっかく昔のブログ記事を掘り起こしたので、印象深い記事をピックアップして載せておく。
NPOの理事長がなくなったという記事
村の人と一緒に宴会をした記事
ねずみとの戦い。夜通し生放送をして、ねずみの侵入経路や何をしているか視聴者に見ていてもらったことがある。
住んで三ヶ月経った時の感想
初めて狩猟的なことをやった時のこと
隣の家が火事になって、消火活動をした話
phaさんに会いに行った時のこと
都会田舎計画の話
そして2015年の4月に今住んでいる廃校になった小学校へ引っ越した。
山奥ニートと不便益
山奥に住んでいて、不便じゃないんですか?
よく聞かれる質問だ。
住めば都とはよく言ったもので、一番近い信号が車で一時間走った所にあるこんな山奥でも、慣れてしまえばあまり苦にならない。
それに、技術は日々進歩している。
インターネットがなければ、とても山奥になんて暮らす気にならない。
逆に言えばインターネットさえあれば、世界中どこにいたって大して変わらないと僕は思ってる。
東京に比べたらテレビ局は少ないけどAbema、Netflix、Hulu等使えば関係ないね。
欲しいものがあれば、ほとんどのものはAmazonで買える。
外の人と話したかったらTwitterや生放送をすればいい。
妻とはあまり会えないけど、Skypeでいつも繋がっている。
人類の叡智をもってすれば、山奥すら快適だ。
便利なのはいいことだ。
一方で「不便益」という言葉がある。
不便だからこそ、良いことがあるという考え方だ。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」と言ってるわけじゃない。
山奥ニートがそんな事言うわけないじゃないか。
それに酸っぱい葡萄の話でもない。
たとえば、貯金箱。
蓋を開けるだけで簡単に入れたお金を取り出せる貯金箱と、一旦お金を入れてしまったら割るまで出せない貯金箱、どちらがいいだろう。
蓋を開けられる貯金箱のほうが便利だ。割らなきゃ出せないほうは、間違えてお金入れちゃっても取り出せないし、お金を下ろすためにいちいち割らなきゃいけない。地球にもやさしくないね。
でも、お金が溜まりやすいのは割らなきゃいけないほうだ。
蓋があったらちょっとお金がなくなるたびに、出して使って貯まらない。
蓋があるほうが便利なのに、不便なほうが目的にはあっている。
これが不便益の考え方だ。
介護の世界では「バリアアリー」という言葉があるそうだ。
バリアフリーじゃない、バリアアリー。バリア、有り。
バリアアリーのデイサービス施設には、わざと長い階段や、段差が設けられている。スロープやエスカレーターをいつも使っていたら足の筋力が弱ってしまう。何の苦労もなく生活していたら、ボケだって進行していくだろう。
わざと不便さを残すことで、お年寄りが自分の力で生活できるように特訓している。
僕の住んでいる共生舎は住所を公開している。
遊びに来たければどうぞ、とも言っている。
普通インターネットに住所を公開したらヘンな奴が来るだろう。
でも今のところ、そんなにヤバい奴が来たことはない。
僕が思うに、その理由は山奥だからだ。ここに来るには相応の覚悟がいる。初めて来るほとんどの人は口を揃えて「想像以上に山奥でした」と言う。山の中では携帯電話だって繋がらないんだ。だからしっかりとした事前準備なしにはここに辿り着けない。
僕らはこの山に守られている。これも不便益だろう。
繰り返して言うけど、苦労するのがいいことだとは思わない。苦労なんてしないほうがいいに決まってる。
でも、苦労するのがイコール不幸ではない。
もし苦労=不幸なのだとしたら、この集落にいる村の人はどうなるんだ。未だに薪を割ってお風呂を沸かしてる人だっている。年金貰えるんだから、もっと便利な町に移り住めばいいのに。お湯なんてガスで一瞬で沸かせるし、スーパーも近くて便利だろう。
でもそうしない。山奥が好きなんだって。
逆も言える。苦労しないことが幸せではない。ニートは親の金で飯が食えて羨ましいと言う人がいるけど、そんな事はない。多くのニートは焦りとプレッシャーの中で戦っている。経験者の僕が言うんだから間違いない。
便利なことと、幸せなことは直接結びつかないんだ。
ある程度の相関はあるだろう。まったく関係ないわけじゃない。
でも、不便なことにも良いことがある。
山奥に来て、一番考えが変わったのはこれかもしれない。
今日お昼にイタチが捕まった。かわいい顔してるけど、うちの鶏を何羽も惨殺している。こいつらは食べるために殺すんじゃない、遊びで殺すんだ。殺すんなら食べろよ……。
大きさからしてメスだ。メスのイタチは殺しちゃいけない事になっている。遠くに逃した。もう来るんじゃない。