山奥ニートの日記

ニートを集めて山奥に住んでます。

日記 (2018/07/19)

 名古屋の妻の家。

朝、寝ぼけながら仕事に行く妻を見送る。妻に言わせれば、寝起きの僕は「話が通じない」らしい。自分ではよくわからない。というのも、何を話したかまったく覚えていないからだ。だから妻は日中に僕にさせたい事をメモしてから家を出る。

9時ごろ、二度寝から目が覚めた。何か嫌な夢を見ていた気がするけど、どんな内容かは思い出せなかった。のっそり布団から起き上がって、パソコンを開く。特に面白いものを見つけられず、妻が残したメモを見る。便器を掃除して、使った柄付きタワシを干しておくこと。気分じゃないから今日はやらないと妻にメールする。黙って放置しておくと後が怖い。普段は朝ごはんを食べないけど、なぜかお腹がすいていたから納豆卵かけご飯を食べる。昨日の残りのイカとキャベツをにんにくで炒めたものも一緒に。BGM代わりにDetroit: Become Humanの実況を見る。その後、はてブRSSをチェック。

ぐだぐだネット見ててもしょうがないので、図書館へ行く。街に下りてる間に図書館に行っておかないと損だ。喉が乾くだろうから、空きペットボトルに水道水を入れて持っていく。ニートに自販機でジュースを買う余裕はない。今日もよく晴れている。しかし午前中だからか、そこまで暑くなかった。暑いのは嫌いじゃない。だらけているのが自分だけじゃなくなるからだ。自転車に乗って走っていると、飴を忘れたことに気づく。どうにも文章を書くとお腹がすくから必要なのに。まぁこんなこともあろうかとバッグの中にはカロリーメイトが入っている。死ぬまでに腹が減る回数は限られているのに、カロリーメイトなんかでお腹を膨れさせるのはもったいない気もするが、たまにはいいや。なんとなく仕事してる気になるし。

7月も半分を過ぎているが、幸いなことに図書館に学生はまだ見当たらなかった。じきに夏休みになって、学生が多くなるだろう。いつもの電源付きの席を確保して、パソコンを開く。僕が本当に集中できるのは一日に2時間くらいだ。これは長いニート生活の悪い面だ。会社員だったらもっと長く集中が続くに違いない。ニートで会社員くらいの行動値があれば、どんなにいいことか。ナチュラルボーンニートの僕は、ニートらしく1日が1ターンの世界で生きている。

さて、書かなきゃいけない。今取り掛かっているのは自分が山奥ニートになるまでの話だ。これがなかなか難敵だ。自分が大学を辞めたことやバイトで失敗したことを書かなきゃならない。嫌な思い出がフラッシュバックそうになって、脳がストッパーをかける。鬱は記憶力が低下するとよく言われるが、インプットしたのを忘れてしまうというより、インプット自体していないように思える。あの時の僕は何も見ていなかったんじゃないだろうか。今朝見た夢のほうがまだ思い出せそうだ。

先週の終わりに編集者さんに提出した下書きの、反応のメールが返ってきている。しばらく怖くて開けなかったが、図書館なら衆目があるから少し落ち着いて読めるだろう。恐る恐る内容を見ると、とても気を使って書いてくれていて、ほっと一安心。直すのは一通り書いてからでいいと言われた。僕は文章の基本がなってないから、何度も何度も直さないと読める文章にならない。ブログですらそうだから、ほとんど直していない提出した文章がクリアラインに達しているはずがない。でもひとつの所にこだわっていても進まないので、編集者さんの言う通りにする。

足りないと言われたところを、当時のことを思い出しながら書く。詰まったら図書館をぐるぐると何周も徘徊する。宮藤官九郎のエッセイを読む。村上春樹の紀行文を読む。西村賢太の日記を読む。

ペットボトルに入れた水道水を飲みながら、カロリーメイトを食べる。仕事してるっぽいのかこれ。よくわからない。仕事ってなんだ。ニートにはわからん。隣ではおじさん2人がでかい声で競馬の話をしていた。

パソコンの前に戻って、続きを書こうとする。高校生の頃、インターネットに出会った話。あの頃の「インターネット」ってなんだったんだろう。今の「インターネット」ってTwitterYouTubeじゃん。ここにInstagramAmazonが入ってくるくらいだろうか。僕が高校生だった2005年はどんなサイト見てたっけ。友達とskype、テキストチャットでTRPG、自分のブログはやっていた、後はなん実Vくらいか。具体例を上げると今とあまり変わってない気もする。ただ、何かを検索した時に、今はアフィサイトや企業サイトばかりが上位に来るけど、当時は個人のサイトが主だった。そういうサイトは一円も貰えないのに、個人の情熱だけで作られていた。資本主義ではない、何かだった。そういう所が好きだったのかな。でもその見方は、そういうサイトを作っている人が普段ちゃんと働いている事を見ないようにしている。仕事があるから趣味ができるんだ。

一方で、趣味を仕事にするのも、なんだか複雑な気持ちになる。ヨッピーさんやARuFaさんの記事は今でも楽しませてくれるけど、結局会社員だもんな、とも思ってしまう。好きなことで食べていけるのは、きっといいことなんだ。だけど、食べるために好きなことをするのは何か寂しい気がする。

こういう事に折り合いがついていないから、僕は今もニートだ。書籍化も遅々として進まない。清貧は必ずしも美しくないぞ、と頭では知ってるんだけど。