山奥ニートの日記

ニートを集めて山奥に住んでます。

まどかマギカで思ったこと

当然ネタバレ

「ぼくと契約して正社員になってよ」

というのは深読みでもなんでもなくて、あのアニメは今の時代を意識してるのは確定的だ。

3話のマミさんはネタとしてはすごく有名になったけど、まどかマギカの本質からは外れてる。

マミさんが死ぬ原因は魔女との戦いであって、それは他の魔法少女ものでもありえたことだ。

それを3話の時点で明確に示したというのは、まどかマギカを「ただの魔法少女ものじゃないぞ」と知らせて、それ以降にあるメッセージを逃さないようにしてほしいと言ってるだけに過ぎない。

で、QBと契約して魔法少女って正社員になって願いを叶えても/お金を貰っても、結局その実像はゾンビ。

QBにしてみりゃ対価を払っているんだから、当然の契約。

だけど自分の身体がただの道具になってるってのは感情的に納得できないわな。

現実社会で答えの出ない問題に最終話でどんな答えを出すのか、はたまた疑問を視聴者に投げかけたまま終わるのか、期待していたんだけど

結局、まどかが新しい世界を作って、奴隷にならないで魔法少女になれる仕組みを作った――まどかが起業して、より良い労働形態を作った、ってことなんだろうなー。

とても無難で現実的な答えだ。

でもそんなに悪くない。

なんで新しい世界を作って起業できたかっていうと、それまでに何度も失敗してきたからなわけで。

まどかマギカで一番好きなシーンは、6話のまどかママの「間違ってみるのも手だよ」ってとこだ。

いろんな好みがあるけど、僕はなんでも言いたいことがあって作られたものが好きです。

この商業アニメ全盛期に、強いメッセージを込めたまどかマギカへの評価は、過大評価だったとは僕は全然思いません。


ここからは個人的な感想なんだけど

上でも言ったように、最終話の感想としては「無難だなぁ」だったんです。

まぁエヴァみたいに世界壊しちゃったら袋叩きだっただろうし(ちなみに僕はエヴァテレビ版最終回で納得した)、今のいろんな状況からしたらアレ以外なかったのかな。

しかも驚くべきことに、あの最終回ですら理解できないって人も何人かいたし。

で、最終話で何を感じたかというと、深く考えるってことは大事だな、ってことなんです。

新しい価値観を発見するというのは、どんなメディアにしても、名作の条件だと思う。

だっちくんとも少し言い争ったけど、僕は「萌え」や「癒し」が「新しい価値観」に比べて低俗なものだと思ってしまうのを拭い去れない。

まどかマギカの出した答えは、新しくない。

僕は虚淵玄って人のことを全く知らない。

けど、この人はきっと叩き上げの苦労人だと思う。

なんだか、汗にまみれた感じがする。

全然違ってインテリ高学歴だったら恥ずかしいけどw

まどかマギカの最終回は、ごくごくありきたりな答えだけど、でもその分たくさんの失敗、作者の人生経験に基づいたものだと感じた。

対照的なのは同じ時期にやっていたオリジナルアニメの『フラクタル』だ。

こっちの原案はバリバリのインテリ東浩紀

世界はベーシックインカム実現後。さらにその崩壊。

まぁこっちはまっっったく面白くなかったけどw

まどかマギカは面白かった。

でも僕は新しい価値観が好きだ。

僕がこれから何を作るか、何をするかわからないけど、新しい価値観を発信できるようになりたい。

そのために本を読み続けないといけないと思いました。